子供の精神疾患は増加傾向に

子供のうつ病は増加傾向

1960年代からアメリカでは子供のうつ病が増加傾向にあります。

「それはあくまでもアメリカのことであって、日本にそのまま当てはめるのは危険だろう?」

そんな考えをお持ちの方も当然多いと思いますが、日本の子どもたちの生活環境の欧米化を考えると、簡単に他所の国の出来事・・・ではなく、同じような道を辿る可能性、そう、同じように子供のうつ病の増加があるのではないかと考えるのが普通ではないかと。

WHO(世界保健機構)は2020年までに子供の精神疾患が50%増加するのではないかと発表しています。

更に子供の重大な健康問題の20%は精神疾患から引き起こされるのではないかと予想している。

このように子供の精神的な問題は非常に危惧しなくてはいけないことが分かると思います。

ここまで書いて疑問を感じる方がいるかもしれません。

「1960年代から増加傾向にあると言われていたのに、なぜ、注目されなかったのか?」と。

これは非常に残念ではありますが、所謂「子供だから」といった理由であり、不適応な問題の起因は教育病理社会病理であるという考えからであったのですね。

そのような訳で、本来、目を向けないといけないところに目を向けず、的外れな部分にのみ見てしまったため、子どものうつ病という現象を長い間見逃してきたのです。

また、差別ではないですが、大人と子供は違うという考えが長い間「当たり前」といった流れもあったのも事実であり、「大人と同じ内因性のうつ病が子供にあるわけがない」といった誤った見かたをしたことによるものです。

もちろん、そうなるに至った理由もあります。

お子様がうつ病と診断されたお父さんやお母さんなら分かると思いますが、子どものうつ病は一見するとうつ病に見えない場合があるからです。

子供の場合、大人とは違って抑うつの状態を周りの大人の前であまり出さなかったりします。せいぜい、食欲不振だったり、身体のだるさ、頭痛、腹痛などの身体的なことや、不登校やニートと言われる行動問題として出るからです。

生意気なことを言ったりする子供も、年齢的なことから社会経験が未熟であり、自分から援助を求めることは難しいのです。

ですから、周りの大人が早期に子供の異変に気付いてあげ、然るべき対応をしてあげるのが大切なのです。

ただ、残念ながら、子どものうつ病が増加傾向にあることは変わりはないので、まだまだ大人側の知識や対応が不足していることが容易に分かってしまいますね。

 

 

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