強迫性障害

強迫性障害

強迫性障害(OCD:Obsessive-Compulsive Disorder)

不安障害の一つであり、以前は強迫神経症と言われていた精神疾患。強迫観念強迫行為の両方が認められる場合のみ強迫性障害と診断されます。強迫症状(強迫観念と強迫行為)と呼ばれる症状に特徴付けられる不安障害です。

生涯有病率は1~2%ほどと言われており、男女比もほぼ同等。平均的な発症年齢を調べますと、20歳前後が一番多く、女性より男性がより早発の傾向であるとの調査結果が出ています。

女性の発症時期としては、結婚や出産にかかわる時期が比較的多いとの調査結果もあり、初診に至る年齢は30歳前後が多い傾向が多い。

自分の中の精神的な悩みや問題は、この障害にかかわらず、自ら適切な医療機関に受診するまで、発症後、かなりの期間を要することが分かっておりますが、その間も症状と葛藤して自分の中で色んな抵抗を繰り返す中で心身共に疲労困憊してしまい、症状、状況によっては不登校や出社拒否など引きこもりなどに繋がり、社会機能や生活する上での支障が重大化してしまうことが多い。

強迫症状は下記の二つがあります。

 

■強迫観念

自分の心の産物と認識されており、絶えず不快や不安なことが本人の意思と無関係に頭に浮かび、本人がそれに対して無視や抵抗、更には制御を試みても、常に心を占めてしまう思考や衝動、イメージと定義されています。

このような思考やイメージは普通の人にも多く見られますが、通常はそのような思考やイメージが頭に浮かんでも大して気にすることなく過ごすことが出来るのに対し、強迫性障害の人は、強く感じたり長期間続くために強い苦痛を感じてしまいます。

 

■強迫行為

高まる不安や苦痛、不快な強迫観念を予防や緩和、自分にとって恐ろしいと感がじる出来事を避けたり、打ち消したり、振り払う目的のための行為。強迫観念同様に不合理なものだが、自分の中のルールに従って抵抗や躊躇をしつつも、それを止めると不安や不快感が伴うために、駆り立てられるように行う反復行為や「祈る」「呪文を唱える」「数を数える」などの心の中の行為をなかなか止めることができない。

それらの行動・行為は当然周囲の一般の人からみると全く理解不能だったりもするが、患者は違えど行為自体はいくつかに分類することが可能であり、患者自身にとっては、それらの行為は何らかの意味付けが生じている場合が多いです。

 

OCDの診断には上記の強迫観念や強迫行為のいずれかが必要となるのですが、多くの場合は両方が併存すると言われております。

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