PTSD(心的外傷後ストレス障害)

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

PTSD(心的外傷後ストレス障害:Post-traumatic Stress Disorder)

自然災害や性的犯罪、交通事故、戦争など、生死に関わったり、重傷を負うような出来事に自分が遭ったり、目撃したりといった出来事により、強い恐怖感、無力感が出たりする精神的な後遺症のことです。もちろんそれ以外にも虐待や暴力犯罪、大事な人の死などでも強い精神的な衝撃を受けることでPTSDになることもあります。

自分自身が直接の被害者とならなくても精神的ショックを受けることでPTSDになるのです。

トラウマというキーワードもありますが、これは個人の対処能力の範囲を超える出来事によって強い不安や恐怖をおぼえ、その出来事を何度も思い出したり、そのショックで社会生活が困難になったり、自信喪失により家に閉じこもったり(引きこもり)します。

なお、PTSDの概念は1970年代のベトナム戦争での帰還兵に見られた精神的・身体的な症状から形成され、80年代半ばにDSMⅢから疾病として分類されるようになりました。

PTSDの症状

■再体験症状

フラッシュバックと言われる症状です。辛い体験を思い出したり、よく夢に見たり、まるで今体験しているかのように思い出したりします。この症状の時は入眠困難や引込み思案になってしまうことがあります。

■過覚醒症状

この症状の場合は、常に緊張してしまったり、敏感に物音に反応したり、人との接触に恐怖を感じたりします。また、そのような状況なので自律神経の緊張状態が続いてしまいます。そのため、勉強や仕事が出来なかったり、気が休まらないといったことになる場合も多いです。

■回避・まひ症状

この症状の場合は、「また同じことが起こるのではないか?」と常に恐怖を感じて避けようとします。再体験症状と並行して生じる可能性があり、生活面では行動範囲が狭くなったり、閉じこもりになったりする場合があります。

上記に加え、「解離」という反応が起こることもあります。

■解離

  • 感情が麻痺してしまい、悲しむべき時に悲しめなくなる症状
  • 現実感の喪失や感情が麻痺したような状態が続く症状

以上の症状は心が凍りついたような状態にみえることから「凍結反応」とも呼ばれています。症状的には軽くみられがちのため、サポートを受け難い場合があります。

 

身体面での変化

強すぎる不安感や苛立ちが原因で過呼吸症状や手足の痺れが出たり、不眠や息切れ、極度の不眠による体調不良や集中困難なども見られ、社会性つが困難になっていきます。

心理面での変化

自分の価値を低く見積もる、自分を責めるなど、消極的になるなどが見られます。これらによって生きる気力を失わせることに繋がることもあります。

注意!!

子どものトラウマによる反応は大人の反応とは異なる形で表れる場合が多く、上に書いたような症状に見えないもの(急に大人にベタベタしてくる行為や、一人になることを嫌がる)が多いので、周りの大人は注意が必要です。

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